2024年度の診療報酬改定が6月から始まりましたが、同時に「保険医療機関及び保険医療養担当規則」の改定が施行されたことも注目されています。この改定により、病院やクリニックのホームページに「施設基準」を掲載することが義務付けられました。
本記事では、具体的にホームページに掲載すべき内容や、その掲載方法、重要性について詳しく解説します。
保険医療機関及び保険医療養担当規則の改定内容とは?
「保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)」は、医療機関が保険診療を行う際に守るべき基準を定めたものです。2024年度の改定では、医療機関が提供する診療内容や設備、さらには診療報酬に関連する加算項目の情報を、ホームページ上で公開することが義務化されました。具体的には以下のような項目が対象です。
- 明細書発行に関する基準
- 一般名処方に関する基準
- 電子カルテやオンライン資格確認など、医療DXに関する基準
この規定により、医療機関の透明性が高まり、患者への信頼感が向上することが期待されています。
改定に伴うホームページ掲載事項
今回の規定により、クリニックや病院のホームページに掲載すべき具体的な内容は以下の通りです。
- 明細書発行に関する基準
患者に対して無償で明細書を発行することが、療養担当規則で義務付けられています。この情報を明確に記載することで、患者に安心感を与えることができます。
記載例:
「当院では、保険医療機関として療養担当規則に基づき、無償で明細書を発行しております。」
- 一般名処方に関する基準
後発医薬品の普及を促進するため、一般名での処方が奨励されています。これについての説明を、患者向けに案内しましょう。
記載例:
「当院では、後発医薬品の使用を推奨し、患者様のご同意をいただいた上で一般名での処方を行っております。」
- 医療DXに関する基準
電子カルテやオンライン資格確認の導入状況を記載することも、診療の効率化や信頼性向上に繋がります。
記載例:
「当院では、オンライン資格確認システムを導入し、診療の効率化に努めています。」
これらの情報は、ホームページの目立つ場所に掲載する必要はなく、トップページの下部に「施設基準に関するお知らせ」として記載することが推奨されます。
掲載の期限はいつまで?
2025年5月31日までが、今回の改定に関する猶予期間です。この期限までに、ホームページに必要な情報を掲載する義務があります。掲載作業自体は複雑ではないため、早めの対応が望ましいでしょう。また、医療法の改定は頻繁に行われるため、最新情報を常にチェックし、必要に応じてウェブサイトを更新することが重要です。
まとめ
今回の改定は、マイナ保険証など医療DXを推進する国の施策の一環です。病院やクリニックは、適切に対応することで、法令遵守に加えて、患者への透明性を高め、信頼を向上させることができます。早めの対応で、信頼性の高い医療機関を目指しましょう。