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【CSVデータ活用術】電子カルテ情報を活用したLINE配信の効率化テクニック
患者とのコミュニケーションは、診療の質や信頼感を左右する重要な要素です。近年、医療機関でもLINE公式アカウントを活用した情報発信が増えていますが、その運用は意外と時間と手間がかかります。
たとえば、定期健診の案内や予防接種の時期通知、休診情報など、患者ごとに異なるタイミングや内容を適切に配信しようとすれば、手動では限界が見えてきます。そこで鍵となるのが、電子カルテから出力したCSVデータの活用です。
CSVデータをLINE配信に連携すれば、患者情報をもとに配信内容を自動的に振り分けられ、業務負担を減らすことにつながります。
本稿では、CSVデータを活用して配信効率と精度を高める方法を、準備から運用まで順を追って解説します。
電子カルテからのCSVデータ抽出と整備
最初のステップは、電子カルテから必要なデータをCSV形式で出力する作業です。多くの電子カルテには、患者氏名、ID、生年月日、性別、来院日、診療内容などを「患者名簿.csv」、「予約一覧.csv」などといったファイル名でエクスポートする機能があります。
ただし、そのままの形式ではLINE配信に使いにくい場合があります。そこで、次のような点を意識してデータを整えます。
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不要な列の削除:配信に関係ない内部管理用の列は削除
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日付形式の統一:来院日や生年月日は西暦か和暦かを統一
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文字コードの確認:全角・半角の混在を整え、文字化けを防ぐ
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患者属性の分類:年齢別、診療科別、疾患別などのカテゴリー列を作成
この段階で「配信したい対象をどう分けるか」の方針が決まります。たとえば小児科なら、乳幼児健診の対象年齢ごとに区分を作れば、必要な人だけに案内を送れます。
LINE配信システムへの取り込みとセグメント設定
整えたCSVデータは、LINE公式アカウントと連携可能な配信システム(ITSUMOなど)に取り込みます。
取り込み時には、CSVの列とLINEシステムの項目を正確に紐付けることが重要です。患者IDは固有のキーとして登録し、同姓同名による誤配信を防ぎます。
その後、セグメント配信の設定に移ります。セグメント配信とは、特定の条件を満たす患者だけにメッセージを送る仕組みです。たとえば以下のような条件設定が可能です。
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年齢条件:「3歳未満」だけに乳幼児健診案内
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来院日条件:「最終来院日から半年経過」した人へ定期検診案内
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診療科条件:「内科受診歴あり」の患者へインフルエンザ予防接種案内
こうした条件設定により、必要な人にだけ情報を届けられるため、開封率や反応率の向上が期待できます。
配信効率と患者満足度を高める運用ノウハウ
CSVデータ連携を活かした配信は、一度仕組みを整えると継続的な効果が得られます。運用のポイントは以下の通りです。
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定期的なデータ更新:
電子カルテからのデータは定期的に最新化することで、患者の転居や診療状況の変化に合わせ、配信対象の精度を保ちます。
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配信結果の分析:
開封率・クリック率を確認し、配信内容やタイミングを改善します。たとえば開封率は平日昼よりも夜の方が高い診療科もあります。
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テンプレートの活用:
定期案内や季節イベント(予防接種、健康診断など)はテンプレート化しておくと、配信作業がスムーズに取り組めます。
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患者視点の文面作成:
短く分かりやすく、必要な行動(予約・確認)を明確に促す文面にします。
このように運用体制を固めれば、スタッフの作業時間を減らしつつ、患者の「自分に必要な情報だけが届く」という満足感を高められます。
まとめ
電子カルテのCSVデータをLINE配信に活用すれば、手作業中心だった患者への情報発信が、自動かつ的確なものへと変わります。データを整備し、セグメント配信を駆使すれば、配信の精度は飛躍的に向上するでしょう。
医療機関にとって、これは単なる業務効率化にとどまらず、患者との信頼関係を深める大きな武器になります。ITSUMOのような医療向け配信ツールを活用しながら、自院に最適なデータ活用体制を整えることが、これからの医療コミュニケーションの標準になるでしょう。