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【タグ機能完全活用ガイド】患者属性別セグメント配信で実現する個別化医療コミュニケーション


医療機関の情報発信は、これまで一律的な案内に偏りがちでした。しかし、患者さん一人ひとりの背景やニーズは異なります。


小児科を利用する親御さんと、生活習慣病の通院を続ける高齢の患者さんとでは、必要とする情報もタイミングも異なるのです。


そこで注目されているのが、LINEの「タグ機能」を活用したセグメント配信です。患者属性に応じて情報を出し分けて、より個別化された医療コミュニケーションが可能になります。


本記事では、タグ設計の基本から運用のポイント、効果を高める具体的な方法まで、実践的なノウハウを詳しく解説します。


タグ機能とは?医療機関での活用の意義

LINE公式アカウントに備わるタグ機能は、登録者に「ラベル」を付与できる仕組みです。


これを医療機関で使えば、患者さんの属性や行動に基づいて情報を整理し、最適なメッセージを届けられます。


たとえば以下のようなタグが考えられます。


  • 年齢や性別:小児科対象の親世代、女性検診の案内など

  • 診療科別:内科患者、歯科患者、整形外科患者など

  • 来院頻度や受診履歴:定期検診中、しばらく受診していない患者など

  • 特定ニーズ:インフルエンザワクチン希望者、生活習慣病治療中など


一律配信では不要な情報が届き「自分には関係ない」と思われがちですが、タグを用いたセグメント配信なら「自分のための案内だ」と受け止めてもらいやすくなります。結果として、既読率や来院率の向上につながります。


タグ設計の考え方と運用ルール

効果的にタグを活用するには、最初の設計が重要です。闇雲にタグを増やしてしまうと管理が煩雑になり、逆に活用が難しくなります。そこで以下のステップをご紹介します。


1. 必要最小限の分類から始める

まずは「診療科別」「年齢層別」といった大分類を設定しましょう。細分化は配信を重ねながら検討すれば十分です。


2. 来院時やアンケートでタグを付与

初診時の問診票やLINEの自動応答フォームを通じて、患者さん自身に選んでもらう方法が有効です。例えば「診療科を選択してください」といった簡単な質問でタグ付けを自動化できます。


3. 運用ルールを明確にする

スタッフ間で「どのタイミングでどのタグを付けるか」を統一しておくことが大切です。ルールが曖昧だと、配信対象が正しく分けられず効果が下がってしまいます。


4. 定期的に見直す

患者属性は時間経過とともに変化します。受診科目が変わる、治療が完了するなど、タグが実情と合わなくなることもあります。定期的にリストを精査し、不要なタグを整理しましょう。


セグメント配信で実現できるシナリオ例

タグを活用した配信は、実際にどのような場面で役立つのでしょうか。以下にいくつかの具体例を挙げます。


予防接種の案内

小児科タグを持つ親御さんに向けて、ワクチン接種の時期をリマインド。必要な人だけに届くため、通知の価値が高まります。


生活習慣病の定期検診案内

「高血圧」もしくは「高血糖」、あるいは腹囲が基準値以上のタグを持つ患者さんへ、半年ごとの検診案内を送信。来院を促すと同時に、フォロー体制を示すことができます。


受診間隔が空いた患者へのフォロー

「最終来院から半年以上」タグを持つ患者さんに対し、再受診をやさしく促す配信を実施。休眠患者の掘り起こしにつながります。


女性健診のお知らせ

女性タグを持つ登録者に向けて乳がん検診や子宮がん検診の案内を配信。不要な方に届かないため、開封率が高まります。


これらのシナリオは、患者さんにとって「必要なときに、必要な情報が届く」という安心感を生み出します。



効果を高めるための工夫

セグメント配信をさらに効果的に運用するには、次のような工夫も有効です。


配信結果の分析

どのタグ配信で開封率が高いか、来院につながったかを確認し、配信内容を改善していきます。


シナリオ配信との組み合わせ

タグを活用して配信対象を絞り込み、さらにステップ配信やシナリオ配信を組み合わせれば、継続的なフォローが可能になります。


患者さんの声を反映

アンケートや返信機能を使い、患者さんから得られた要望をタグ設計に取り入れると、より実態に即した配信が行えます。


まとめ

LINEのタグ機能を活用すれば、医療機関は一方通行の情報発信から脱却し、患者さん一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを実現できます。年齢や診療科といった属性に応じて適切な情報を届ければ、患者満足度の向上はもちろん、来院促進や継続通院にもつながります。


これからの医療コミュニケーションは「個別化」が鍵です。タグ設計と運用ルールを整え、ITSUMOをはじめとするLINEの機能を最大限に活かしてみてはいかがでしょうか。